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中瀬 吉昭; 栗山 将
IEEE Transactions on Electrical Insulation, 18(1), p.78 - 81, 1983/00
エチレン・プロピレンゴムを過酸化物で加硫し、その耐放射線性をイオウ加硫物と比較した。イオウ加硫物では原試料のゲル分率が高いほど、劣化は抑えられるが、過酸化物加硫試料では、ゲル分率の影響は認められない。劣化に対する線量率効果は、イオウ加硫物、過酸化物加硫試料ともに認められる。また、低線量率における酸化反応の優勢になることも同等である。これらの事実より、イオウ加硫物の耐放射線性が良好なことは、単にゲル分率の増加、すなわち架橋点の増加によるのではなく、架橋点の増加に伴うイオウ原子の増加になることが明らかとなった。
中瀬 吉昭; 栗山 将
Reports on Progress in Polymer Physics in Japan, 25, p.631 - 632, 1982/00
過酸化物により架橋したエチレン・プロピレンゴム(EPDM)の耐放射線性について検討した。EPDMの機械的性質は、線量の増加とともに極大を経て低下する。極大に到るまでは、性質の向上があり、その後低下が起るとみなすことができる。原試料の架橋度(ゲル分率)に関係なく、劣化が起り、かつ線量率の低いほど劣化の程度は激しい。一方、イオウ架橋(加硫)EPDMでは、線量率効果は上述と同様であるが、原試料の架橋度が大きいほど劣化は仕難い。EPDM中のイオウの存在量は、耐放射線性の向上に比例するような結果が得られた。
中瀬 吉昭; 伊藤 政幸
IEEE Transactions on Electrical Insulation, EI-16(6), p.528 - 532, 1981/00
被引用回数:7 パーセンタイル:68.71(Engineering, Electrical & Electronic)イオウ加硫エチレン・プロピレン・エチリデンノルボーネン三元共重合体(EPDM)の耐放射線性を研究した。EPDMの機械的性質は、照射すると極大値を示して変化する。この極大値は、供試料のゲル分率に左右される。一方、このゲル分率は、イオウ量と加硫促進剤の量を選択することにより大きく変化させることができる。試料の放射線劣化は、この極大値からの低下の度合いで評価できる。ゲル分率の高いEPDMは、ゲル分率の低い試料より劣化は少ない。劣化に対して線量率効果があり、照射中の劣化が酸素の拡散律速であることを示している。110rad/h以下では、この線量率効果が小さいため、通常100rad/h程度の原子炉格納容器内の劣化を評価することができる。硬さの変化は、劣化を評価するためのパラメータとして有効である。
中瀬 吉昭; 伊藤 政幸; 栗山 将
EIM-79-103, p.75 - 81, 1979/00
エチレンプロピレンゴムが耐放射線性にずぐれていることから、そのイオウ加硫物の耐放射線性について検討した。本報では、実用配合試料、すなわち、イオウで加硫したベースポリマーに、安定剤,加工剤,フィラー,可塑剤,酸化防止剤等を添加した試料、を用いた。安定剤,加工剤,及びフィラーの添加した試料では、その耐放射線性は低下する。これは、添加量が多い(50ph)ため、照射による架橋反応が妨げられ、主鎖切断が優勢となるためである。この系に酸化防止剤を添加すると、上述の主鎖切断が妨げられ、材料の劣化速度は低下する。例えば、200Mrad照射試料の伸びは100%以上であり、実用上使用に充分耐える物性を有することがわかった。